スワップ鞘取り ~業者間でのスワップ差を利用した堅実運用について

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スワップ鞘取りの投資方針での位置づけ

スワップ鞘取り(業者間)ですが、はるきちはFXや株式投資向けの待機資金をこの取引で回すことにしています。以前の記事「ゆったりFX投資の実践に向けて ~為替レート変動の確認」からの再掲ですが、黄色矢印のスワップ鞘取りになります。他の取引では、平均以下の価格レンジで買ポジションを建てることを中心にしていますが、この取引では価格レンジにあまり制限はありません。ですので待機資金をこの取引に入れることにしました。

スワップ鞘取りとはどんな取引か

現在、AUDJPYについてヒロセ通商で買ポジション、FXブロードネットで売ポジションの組み合わせでスワップ鞘取りをしています。現状(9/19時点)は以下の通りです。

  • ヒロセ通商
    9/12 買25万単位 価格:88.075 評価損益:+293,500円 スワップ:+8,750円
    必要証拠金 900,000円 証拠金預入額 2,500,000円
  • FXブロードネット
    9/12 売25万単位 価格:88.071 評価損益:ー295,750円 スワップ:ー4,425円
    必要証拠金 890,000円 証拠金預入額 2,500,000円

9月12日にほぼ同時刻に、ヒロセ通商で買ポジションとFXブロードネットで売ポジションを建てたため価格はほぼいっしょです。評価損益は、同額くらいで損益が反対になります(最終的には、スプレッド分はここで損することになります)。スワップは、ヒロセ通商側が4,325円多くなっています。

9/18の両業者でのAUDJPYの1万単位分のスワップ額ですが、以下の通りです。ヒロセ通商の買+50円とFXブロードネットの売-27円の差分の23円が一日当たりの利益となってきます。

  • ヒロセ通商(スワップ表はこちら) 買:+50円 売:ー105円
  • FXブロードネット(スワップ表はこちら) 買:+22円 売:ー27円

利益とコストをまとめると以下の通りです。

  • 利益  スワップ鞘益: スワップ差分額(23円)×ポジション維持日数
  • コスト 売買損益の差額: 両業者での売買の価格スプレッド分の損失
  • コスト 証拠金預入額: ポジション1万単位毎に10万円を入れています

仮に今回のポジションを1年間維持できたとして、売買損益の差額を無視すると以下のようになります。

  • スワップ鞘益: 23円×25単位×365=209,875円
  • 想定利回り: 209,875円÷5,000,000円=約4.2%

この取引の要点&必要作業(面倒なところ)

このスワップ鞘取りのアイデア自体は、皆さん気が付くと思います。はるきちもFXを始めた当初に思いついて試験的に小ロットで実施していました。それで実際に利益が出せることは確認したものの、いくつか面倒な点があり小ロットで実施するには面倒で割に合わないと思っていました。今回は、待機資金をこれに投入するという位置づけにしたことで、ある程度のロット(10万単位以上)で実施することにしました。

この取引の要点は、スワップ鞘の大きい通貨&業者組み合わせを見つけ、できるだけ長期間維持することで想定する利回りに近い利益を確保することです。コストは、ポジション往復のスプレッド分なので、長期で維持するほど効率が良くなります。

そのために必要な作業(面倒なところ)は以下の通りです。

  • 実施前:
    • 業者間スワップ鞘の大きな通貨組み合わせを探す ー(1)
  • 実施中:
    • 実施中ポジションのスワップ鞘の状況を確認する ー(2)
    • ポジションの評価損益状況を確認し、評価損側がロスカットされないように証拠金資金を評価益業者から評価損業者に移動させる ー(3)

まとめ&必要作業の対応について

スワップ鞘取りの再開にあたって、はるきちも(1)として、各証券会社、FX業者でのスワップ鞘の確認をしました。買の受け取りスワップについては、結構まとめて頂いているサイトがありますので、売側の支払いスワップが安い業者を探すのがポイントになります。

今回この記事を書くために再確認で各社のスワップ額を確認していたら、この取引について非常に良くまとめられているサイトを見つけました。「お気楽FX~相場生活入門ブログ編」さんです。そのトップページスワップ鞘取り向けページです。スワップ鞘取りは長く継続されていて、

  • 各業者のスワップ確認によるスワップ鞘状況の日々確認
  • 資金管理のポイント(資金3分割 リスクを抑えて安全性を高める)
  • スワップポイント付与日数の違いを利用したFX両建ての小技

など、必要な事項が整理されています。必要な作業(面倒なところ)の(1)、(2)は、感謝しつつお気楽FXさんのスワップ鞘取り向けページを参照させていただくことが良いかと思います。こちらのサイトを見て、ユーロ円のスワップの状況は、買が受け取りの業者と売が受け取りの業者があるような面白い状況だと知りました。
特に「資金3分割 リスクを抑えて安全性を高める」のページの内容は、実施にあたってとても参考になる記事だと思います。

このままだと、お気楽FXさんをご参照くださいで終わってしまいますが、はるきちも少し工夫しました。(3)では各業者さんでの評価損益やロスカットまでの余裕を確認することが必要なのですが、いちいちログインするのは面倒です。そこで、Googleスプレッドシートを活用してみました。画面イメージとポイントは以下の通りです。

  • GoogleFinance関数で、為替レートを自動取得
  • 建玉のポジション情報を登録しておくことで、各業者での証拠金維持率やロスカットまでの余裕を自動計算
  • Googleスプレッドシートは、Androidのサファリでも動くためスマホで状況を確認できる

3点目のスマホで気軽に確認できるのは良いと自画自賛しております。今度Googleスプレッドシートのスワップ鞘取り向け使い方は別途紹介します。

最後にまとめです。このスワップ鞘取りは、うまく実施すれば3~5%くらいの利回りとなり、金利がほとんど付かない定期預金よりは期待値は高いと思います。また、異業者間ですが売買の両建てになるために為替変動は損益には影響しません。一方、為替変動でのロスカットについては考慮する必要があり、ロスカットを避けて長期で維持できるように余裕を持ったしっかりした資金管理、損益状況確認が必要です。
はるきちとしては、待機資金の活用先として使っていこうと考えています。

今回は長文にお付き合いいただきありがとうございました。

はるきち