以前に「金融庁がFX倍率上限下げ検討との報道」について紹介記事を書きました。その際には、ゆったりFXにはあまり影響がないのでは考えましたが、スワップ鞘取りには影響があると気づきました。
そこで、スワップ鞘取り作戦会議です。
Contents
作戦会議での検討課題
スワップ鞘取り作戦会議での検討課題は、以下2点です。
- レバレッジ制限(25倍⇒10倍)となった場合の収益性への影響確認
- 収益アップ作戦の案出し
今回は、レバレッジ制限(25倍⇒10倍)となった場合の収益性への影響確認をします。今回の試算は先日公開したスワップ鞘取り試算用ワークシート(エクセル版)を使ってますので、試算シートの仕様を確認したいかたは、そちらをご参照ください。
現在の収益性目安とレバレッジ制限の影響確認
試算の設定
はるきちも設定中の豪ドル円(AUDJPY)想定で試算しました。
現在、豪ドル円(AUDJPY)でスワップ鞘取りを仕掛けるとしたら現状選択すると考えている2社(A社ーB社)での組み合わせで試算します。
スワップ差分は、一日当たり22円(50円ー28円)の受け取りになります。
- 買ポジ側:A社
- スワップ(買):50円、スプレッド:0.007、ロスカット維持率:100%
- 売ポジ側:B社
- スワップ(売):△28円、スプレッド:0.006、ロスカット維持率:100%
試算シートに入力した結果は、下記の通り。
ポジション:10万単位、預入資金:100万円×2です。はるきちは、ポジション1万単位当たり10万円を基本資金としています。
収益性の確認
収益の関連は青枠内で重要です。以下の項目に分解できます。
- 売買コスト:△1300円
- 買ポジ、売ポジでそれぞれ決済損益が生じます。1取引で2件です。
- 試算ではスプレッド分をマイナスとして計算しています。
- スワップ:1日当たり+22円(50円-28円)×維持期間
- 維持期間:
- ここでは90日と入れていますが、利回りは長くなるほど良くなります。
結果です。
維持期間が30日で利回り3.22%と3%を超え、半年、一年となるにつれて4%近くになります。大儲けとはなりませんが、余裕資金|アイドル資金を活用には良いと思います。
実際に試算しての気づきとしては、30日時点、60日時点での利回りが思ったより良かったです。これまでは90日維持を目安にしていましたが、約定時点からの価格変動が大きくなって証拠金のやり繰りが難しくなったら、一旦決済して切り上げて再設定するのもOKだと分かりました。(切り上げて決済すれば、売買それぞれの損と益は相殺できるので資金面の課題はクリアできます。)
また、維持期間が7日でも赤字になっていません。他に良い投資機会があれば切り上げて資金リリースし投資資金として活用できます。この切り上げタイミングに制限がないところも、余裕資金|アイドル資金の活用先として良いところです。
レバレッジ規制強化(25倍⇒10倍)の影響試算
レバレッジ25倍とレバレッジ10倍の試算結果を上下に並べます。25倍は、先ほどと同じ数値ですが、今回重要なのは緑枠内(必要証拠金~ロスカット価格)の部分です。
上下の画像で設定値を変更しているのはレバレッジ25倍⇒10倍の部分のみです。
緑枠内の証拠金、許容変動、ロスカット価格の試算値ですが、思っていたより影響が出ます。
レバレッジ25倍⇒10倍となることで、買ポジの許容変動(価格幅)は6.746⇒1.325になります。許容変動(価格幅)が1.325では、直ぐにロスカットになってしまいポジションの維持期間が短くなります。
レバレッジ25倍時と同程度の許容変動とするには預入資金を増やす必要があり、その試算が次の画像です。
確認点は、緑枠部分と青枠部分です。
預入資金の合計が306万円で、レバレッジ25倍と同程度の許容変動となりました。
収益性は、維持365日で比較すると3.95%⇒2.58%に下がりました。
作戦会議での気づき
今回の作戦会議での気づきです。
これまで90日維持を目安にしていましたが、それより短い30日時点でも利回り3.22%を超えています。資金管理が苦しくなったら、一旦切り上げて再設定という判断をしやすくなりました。
レバレッジ25倍⇒10倍の規制変更があった場合のスワップ鞘取りへの影響です。
現状の資金設定(1万通貨単位当たり資金10万円)では、許容変動(価格幅)が狭くなりすぎます。ゆったりFXとしてスワップ鞘取りをするためには、許容変動を狭くはできません。試算では、資金が1.5倍必要となり収益性が下がります(3.95%⇒2.58%)。
スワップ鞘取りを始めるなら
スワップ鞘取りの3~5%という利回りレベルに納得できる方は、レバレッジ規制強化の前に始める方がよさそうです。
最初に始めるとしたら、米ドル円か豪ドル円が馴染みのある通貨と思いますのでお薦めです。関連するFX業者さんと口座開設サイトは、以下の通りです。確認してみてください。
- 豪ドル円(AUDJPY)
- 買側:ヒロセ通商:ヒロセ通商【LION FX】
- 売側:FXブロードネット:FXトレーディングシステムズ
- 米ドル円(USDJPY)
- 買側:クリック365:GMOクリック証券【くりっく365】
- 売側:DMM-FX:DMM.com証券
- 売側:外為ジャパン:FXなら外為ジャパン
紹介した5社は、スワップ鞘取りを実施するなら口座を作っておいて良い業者と思っています。高スワップの買側となるFX業者は、これ以外にも候補はいろいろあります。ですが、売側の候補業者は限られます。FXスワップ額のまとめサイト等(例えば、こちら:FX比較マネー)で確認してみてください。
- ヒロセ通商は、高スワップ/狭スプレッドな通貨が多いです。オセアニア通貨に強い印象があり、豪ドル円、NZドル円の組み合わせの場合には有力候補です。また、いろいろ面白いキャンペーンをしていて楽しめます。
- 取引所FXの「クリック365」は、売買のスワップが同値なのが特徴です。米ドル円では買側の候補としていますが、通貨によっては売側として条件が良い場合もあります。クリック365は、どのFX業者でもスワップ額は同じですので気に入ったところで良いと思います。
- FXブロードネットは、売側(支払いスワップ)が小さいことが多いです。貴重な売側FX業者候補のひとつです。
- DMM-FXと外為ジャパンも、売買のスワップが同値なのが特徴で、売側の候補となることが多いです。両社は同じシステムですので、気に入った方でよいと思います。
最後に
今日の試算結果のまとめは以下の通りです。
- 現状:豪ドル円(AUDJPY)、レバレッジ25倍、スワップ差分22円の場合
- 目安にしている1万通貨単位当たり投入資金10万円(2社分で20万円)では、許容変動の率:7%代、価格幅:6円代
- 利回りは、維持期間1年で3.95%
30日:3.22%、90日:3.62%と短期間で決済してもある程度の利回りとなる。
- レバレッジ25倍⇒10倍となると
- 現状資金基準では、許容変動の率:1%代、率:1円代に減少
- 許容変動をレバレッジ25倍と同等レベルにするためには、資金は約1.5倍必要。利回りは減少(3.95%⇒2.58%)
次回の作戦会議では、収益性向上案を考えます。
今回は、長文にお付き合いいただきありがとうございました。
はるきち