スワップ鞘取り ~資金管理にGoogleスプレッドシートを活用する方法

スワップ鞘取り(業者間)について紹介した「スワップ鞘取り ~業者間でのスワップ差を利用した堅実運用について」で、「この取引の要点は、スワップ鞘の大きい通貨&業者組み合わせを見つけ、できるだけ長期間維持することで想定する利回りに近い利益を確保すること」と書きました。
基本的に売買の両建てになっているので、価格変動は打ち消しあうことになっていますが、買と売のFX業者さんが異なるため評価益のFX業者さんと、評価損のFX業者さんが出ます。価格変動で証拠金不足となるFX業者さんにはロスカットを避けるため証拠金を追加したり、評価益側のFX業者さんから評価損側へ資金移動したりが必要になります。

スワップ鞘取りを実施している通貨の為替レートとFX業者さんでの評価損益(証拠金)の状況を、まめに確認することになります。現在はるきちは、AUDJPYの組み合わせで実施しているのみなので、関連するFX業者さんは2社です。
「FXのスマホアプリもあるし、それで確認すればいいのでは?」
と思われるかもしれませんが、有利な通貨組み合わせが出てくれば鞘取りポジションを増やすことになり、FX業者さんも3社、4社と増えてきます。ポジションが増えれば、証拠金の過不足など計算ことも増えてきます。

「簡単にスワップ鞘取りに係わる為替レートや評価損益(証拠金)の状況を確認する手段がほしい」となるわけです。

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エクセルを使う

エクセルを使うは皆さんの定番ではないでしょうか。はるきちも以前は、この方法をしていました。

頻繁に売買しないこともあり、FXのポジション全体をエクセルに入れていました。ポジションを持った時、価格変動が激しい時に、シートを立ち上げて最新のポジションと為替レートを入力して、どの程度動くとロスカットになるのか、どのくらい証拠金を追加しておけば安心そうかなどを計算していました。

ただ、ちょっと面倒なのと、自宅のPCを使っての確認となります。

Googleスプレッドシートを使う ~今の決定版

最近、Googleスプレッドシートでは為替レートを自動で取得できるということを知りました。それを使えば、FXでポジション管理をする際に現在の為替レートを手入力しなくて済むことになります。実際にFX業者さんで値洗いに使われている為替レートとまったく同値ではないはずですが、証拠金についてケアが必要な状況なのかどうかを判断するには十分ではないかと思っています。

また、スマホ(Android)のサファリブラウザでも使えるので、ブックマークしておいて通勤電車の中でさっと確認という使い方もできます。

サンプルシートとコピー方法

実際に使っているシートをサンプルとして共有リンクはこちら)しました。説明を読む際に参照してもらった方がわかりやすいと思うので、開いて確認してみてください。

また、ご自身で使ってみたいとかアレンジしたい場合には、サンプルシートからメニューの「ファイル⇒コピーを作成」とすると、ご自身のGoogleアカウントにサンプルシートがコピーされます。そちらを編集してお使いください。

当然ですが、サンプルシートの間違いやそれを参照しての損害等がありましても保障できません、ご理解の上でご活用ください。
もし、間違いを見つけたり、こうしたらもっと良くなるという方法があれば、是非コメントで教えてください。お願いいたします。

シートの説明

画面イメージは以下の通りです。

  • 上段:サマリ
    • 為替レートとFX業者さんでの証拠金余裕状況
    • スマホでさっと状況を確認するために使う
  • 中段:FX業者さん毎の状況
    • オレンジ色部分が入力
    • 白色部分は、自動集計や自動計算
      例えば、預入金額、必要証拠金、評価損益等は、保有ポジション側から当該FX業者さんの分を集計しています。
    • 余裕率が、100%を切ると注意するようにしてます
    • 注文Lotは備忘です。頻繁に注文しないので、Lotが分からなくなるためです
  • 下段:保有ポジションの状況
    • オレンジ色部分が入力
    • 白色部分は、自動集計や自動計算
      例えば、現在価格をGoogleFinance関数で取得です
      ロスカット率は、中段のFX業者さんのところから持ってきます

使っている関数は、以下の通りです。

  • GoogleFinance関数
    F21セルにありますが、為替レートは「=GoogleFinance(“currency:”&B21, “average”)」という形で取ってきています。
  • DSUM関数
    条件付集計の関数です。FX業者さん部分で、シート内参照して、預入金額、必要証拠金、評価損益等を集計しています。
    E14セルにあります「=DSUM($A$20:$O$24,E$11,{“証券会社”;$A14})」

関数の詳細は、Googleドキュメントのヘルプを参照してください。GoogleFinance関数のヘルプはこちらです。
また、Googleスプレッドシートの下部にこんなテキストも出ていますので、それはご理解の上で使用してください。

株価情報はすべての市場から提供されているわけではなく、また、最大 20 分の遅延の可能性があります。情報は「現状有姿」で提供されるものであり、取引目的や助言ではなく、情報提供のみを目的して提供されています。

マネーフォワードを使う

マネーフォワード(ホームページはこちら)は、PFM(Personal Financial Management)という分野のツールで、銀行口座、証券会社口座の状況を収集して一覧にして表示してくれます。家計管理、資産管理のためのツールですが、マネーフォワードさんは割と幅広くFX業者さんに対応していますし個別ポジションの状況まで掘り下げられるので、うまく設定すれば使えそうです。

はるきちは、実際のスワップ鞘取りの資金管理としては実施していないのですが、もし既にこちらで管理されている方やマネーフォワードさんのUIやアプリが好みであれば、活用するのもありと思います。

まとめ

スワップ鞘取り(業者間)にとって資金管理は肝になりますが、それを手間をかけずに日々実行する方法として、Googleスプレッドシートが良いと思い活用を始めました。

サンプルシートへのリンクを公開してみました(リンクはこの記事中段くらい)。皆さんのお役に立てば幸いです。

Googleスプレッドシートは、株価取得とかもできるようですし、FXや株式投資の情報を自動で収集、管理する手段として研究してみたいと思います。

今回は、長文にお付き合いいただきありがとうございました。

はるきち