スワップ鞘取りは、設定前にある程度計算ができる取引です。
この機会に検証しておきたいことがいくつかあり、試算シートを作成しました。皆さんにおいても、取引の計画や確認用として使っていただけると思うので共有します。
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■スワップ鞘取りの特徴
スワップ鞘取りの取引自体について知りたい方は、過去記事になりますが「スワップ鞘取り ～業者間でのスワップ差を利用した堅実運用について」をご参照ください。
その特徴は以下の通りで、余裕資金やアイドル資金の活用先として有力と思います。
- 低リスク：価格変動に対して
- 期待利回りはほどほど：年間3～5%程度が想定ライン
- 打ち切るタイミングの自由度が高い
注意点として、全体では価格変動の影響はないのですが、売買ポジションが別業者になるため、それぞれの業者ではレバレッジが高めになります。実施の際には、ロスカットにならないための事前確認と資金管理が重要で今回の試算シートはそれ向けです。
■スワップ鞘取り試算シート（エクセル版）
試算シートの外観と使い方
試算シートの外観は以下の通りです。
赤枠内が入力項目です。サンプルとして、はるきちがAUDJPYで設定しているスワップ鞘取りポジションの内容を入れているので、使う際にはそれを参考にご自身の内容を設定してください。他のセルは、数式が入っているので基本的には修正不要です。
基本的には、設定しようとする鞘取りポジションを入力して、ロスカット価格と維持期間と利回りの関係を確認していただくことになります。
図中のAUDJPYのスワップ鞘取りポジションですが、30日以上で3%を超えて、60日以上維持すれば3%後半の利回りとなりますね。
最低１か月は維持したいと考えた際に、許容変動（価格幅）と過去のチャートでの値動きを確認して、必要なら預入資産を増やすとかを検討できるようになります。
設定項目（赤枠内）について
設定必須の項目と定義は以下の通りです。
- 換算レート｜USDJPY
EURUSD等のドルベースの通貨組み合わせの円換算に使います。USDJPYの値を赤枠内に設定してください。
クロス円の通貨組み合わせでは「1.00」が入ります。 - 通貨
6文字の半角英字で通貨組み合わせを入れます。後半３文字がUSDかどうかで、ドールベースかどうかの判断に使っています。 - ポジション：万単位
- 維持日数：鞘取りポジションの維持日数
- 想定スワップ：１日のスワップ額（円単位）
- スプレッド：各業者の当該通貨組み合わせのスプレッド。売買コストを試算します。
- レバレッジ：何倍か入力（仮値はレバレッジ25倍 ⇒ 必要証拠金4%）
- ロスカット維持率：各社でのロスカットになる証拠金維持率を設定
- 預入資金：
各社への証拠金としての預入資金を設定。
試算値（損益、利回り）について
- 売買コスト
スプレッド分のコストを計算しています。
もちろん、実際の約定ではスプレッド分以上に変動しますが、目安となると思います。 - スワップ
獲得するスワップ額 ＝ 想定スワップ（受け取りー支払い）× 維持期間 - 損益、利回り（年）試算の表
見た通りですが、左端は設定した維持期間での試算値、右側は期間別の試算値です。
証拠金、ロスカットについて
必要証拠金やロスカットルールは、各FX業者さんにより多少違いがあります。
この試算シートでは、外為ジャパンさんのロスカットルール（説明ページはこちら）を参考に計算モデルを作っています。画像は外為ジャパンさんの例を引用しました。
他業者さんでは、必要証拠金が段階制になっていたり多少差が出ます。ですので試算値は参考用としてご理解ください。
- 必要証拠金： 取引額 ÷ レバレッジ です。レバレッジ25倍だと4%相当です。
- 維持率： 取引設定時の証拠金維持率です。
- 余裕率： 維持率 ー ロスカット維持率 です。設定時にどの程度余裕があるかです。
- 許容変動（率）： 許容変動（価格幅）÷ 約定価格 × 100 です。
- 許容変動（価格幅）： 約定価格 ー ロスカット価格 です。
- ロスカット価格 ： この価格でロスカットになるはず。
外為ジャパンさんの計算例を入力した結果は次の画像です。買ポジのロスカット価格は証拠金維持率が60%になる価格を算出しており”97.02869”となります。外為ジャパンさんの例では、価格が”97円”になると証拠金維持率が60%を切るのでロスカットと計算されています。その通りとなっているので、外為ジャパンさんの証拠金、ロスカット計算は試算できていると思います。
ダウンロード＆利用に際してのお願い
スワップ鞘取り試算シートの利用について、以下の点をご理解の上でご活用ください。
- 試算シートの数式等は注意して作成しておりますが、結果について保証はできません。
- 各社で取引ルール（スプレッド、証拠金、ロスカット等）は異なるため、あくまで概算であることをご理解ください。
- 実際の取引は、ご自身で確認と判断で実施してください。
スワップ鞘取り試算シートのダウンロードはこちらです。
使ってみてお気づきの点や感想等がありましたら、是非コメントでお知らせください。
お願いします。
はるきち